ちひろのちりもつもれば

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『行きたくない』感想

6編のアンソロジーを読み終えた感想です。

 

一番読みごたえがあったのが「シャイセ」です。途中で作品の‟色”がガラッと変わるポイントがあって、そのポイントも伏線ありなのがよき。主人公自らの働きかけがきっかけになっているところが本当に好き。ぐいぐい読ませるし読後感のよい大好きなタイプの小説でした。現状は変わってない(し今後もいろいろ厳しい)んだけど、ドアを開けたら新鮮な風が流れ込んできて澱んだ空気が動き出したみたいな、そういう清涼感を味わえました。

「ピンポンツリースポンジ」と「コンピレーション」は読んでいくうちに作りこまれた世界観に気づく作品です。どちらも興味深い世界であり、よーく考えると怖い気もする世界。書き手の技術の高さを感じます。

「あなたの好きな/私の嫌いなセカイ」と「終末のアクアリウム」はまったく雰囲気がちがう作品だけど、キーパーソンが‟女友達”なところが共通しています。善意に見せかけた、悪意とまではいかないまでも底に透けて見える嫉妬が、あーわかるかも、という感じ。

「ポケット」は読みながら映像が浮かぶ作品。その映像も美しくシャープ。正直、設定や構成の工夫とかキャラの濃さとかは他作品の方が魅力的。でも、絵が浮かぶんですよね、それも美しい絵が。

 

結論、6作品を楽しめて税込648円はお得です。 

 

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行きたくない (角川文庫) [ 加藤 シゲアキ ]